消えた1トン車

 

 

このお話は、常連のお客様「AIUENO」様から頂きました。

  

 
 
建築現場で聞いた話・・
 
 
 
現場は小高い丘の上にある住宅地。
前の道路は緩やかな勾配になっていて、
下りの先方は右にカーブしている。
 
 
 
道路に面して屋根つきガレージがあり
その奥にある石段を登り更に奥に入った所に住宅が建っている。
 
 
 
その日、建築屋さんは1トンダンプで現場に来た。
ガレージには屋根が低くて入れない。
道路に駐車して住宅に入った。
そして、再びダンプに戻ろうと石段を降りてきた。
 
 
 
 
 
 
 
ところが、そこに無い。
 
 
 
 
 
 
 
ダンプが無いのである。
 
 
 
 
 
 
 
頭は一瞬の空白―――坂の前方を見るとそこに・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
サイドブレーキを引き忘れたダンプは
ゆるい勾配を勝手に転がっていた。
 
 
 
20Mほど先、右カーブの行き止まりにある電柱に
衝突して止まっていた。
 
 
 
 
横の住宅の塀に少々の損傷があるだけである。
 
 
 
 
 
 
 
もし、子供や老人がいたならば・・・
 
 
 
 
 
笑えない話に笑ってしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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