八甲田山

 

 

現場で聞いたお話です。

 

 

 

その現場は、マンションが何棟も並び、

その中の一室のリフォームでした。

 

 

 

職人さん達が、荷物を五階の現場まで

運ぼうとしたのですが、

 

 

 

なんとエレベーターが無かった為、

手で運ぶ事になったのです。

 

 

 

 

その荷物、やたらとデカくて重い為、数人がかりで

ヨイショ!ヨイショ!!と

 

それはそれは頑張って運びました。

 

 

 

 

全員汗まみれ、息も荒い、

 

 

 

 

しかし、そんな苦難の道筋も終わりが来ます。

 

 

 

 

 

やがて、目的の部屋にたどり着くと、

 

チャイムをピンポーン!と鳴らします。

 

 

 

 

 

 

 

ドアが開き、住んでいた住人の方、

開口一番に

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どちら様?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

哀しい事に、目的の部屋は、

別の棟のマンションの五階だったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

可哀想な職人の皆様、

 

泣く泣く重〜い荷物を下まで降ろし、

 

目的の部屋への再強行軍を開始したのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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