サエギルモノ

 

ある建築家の方から伺った話です。

 

その方の修行時代(と言っても何十年も前の話で、もう時効ですよね)所属していた

事務所の同僚の方が一軒家の設計図を書いていました。 

 

 

 

 

他の部分は問題無かったのです。階段の部分を除いては。 

 

あろう事かその人物、階段の入り口と廊下の境を太い線で

書いてしまったそうです。 これでは廊下から階段へ入れません。

 

 

 

 

 

すなわち、階段使用不可=二階へ行けない、と言う恐るべき家となってしまうのです。

 

 

 

 

 

とはいえ、普通そんな家お役所の審査の段階でダメ!と言われるはずなのです。

しかし、お役所の方は一切それに気が付かずOKを出してしまったとか。

そして、大工さんもキッチリ図面通りに作ったのです。

 

 

 

 

 

 

驚いたのは、いざ住もうとしていたお施主さんです。

何しろ階段を壁が遮っているのですから。

とてつもない大騒ぎになった事は言うまでもありません。

 

 

線一本で、憧れのマイホームを台無しにされてしまった可哀想なお施主さん。

 

 

 

 

 

 

 

幸あれ。

 

 

 

 
 

 

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