「miko」様の場合・・・・・
 

 

私が、19歳のときの話です。
 
親に交際を反対され、その彼と同棲を始めました。
 
働くと言っても住む所も居るし・・・。で、とりあえず私がスナックで働く事に、
その二階をスナックのマスターからタダで借りて、
2人で住む事になりました。
 
そして、一週間が過ぎた頃です。
 
仕事が終って、二人で寝ていると、寝ているのに頭の上の方で
映画のような夢のような・・・。
 
「しまった、金縛りだ!」
 
その時は目は覚めていました。なのに、そのままその光景は続き、
ぼやけたお花畑の中を3歳か4歳くらいの女の子がポツンと一人、
座り込んでいました。
 
馬鹿な私は声をかけてしまいました。
 
「どうしたん?」
 
そのとたん、下を向いていたその女の子は顔を上げるなり、
こちらを凄い形相でにらみました。
 
「しまった、やばい方か・・。」
 
私は声をかけてしまった事を後悔し、
すぐ隣で寝ていた彼を起こそうと呼びましたが、声が出ません。
そして、声を出そうと必死になっていると、
 
今度は襖の方から髪の長い女の人が大画面で出てきました。
 
「????!」
 
体の半分が襖に吸い込まれようとしている時、やっとの思いで金縛りがとけ、
大声で隣の彼を起こしました。
その日はそのまま寝ました。
 
そして朝、私は部屋のマスターの荷物が入った押入れを探したのです。
決して自分の意志ではなく、「探さなきゃ、探さなきゃ・・・」
・・・と、何かにかき立てられ・・・。
 
「???」 「!!!」
 
「これだ・・・」
 
私が見つけたものは白い椅子。その中には写真が入っていました。
 
その写真は、昨日見たお花畑の女の子の写真でした。
 
その日、私はマスターに事情を聞きました。
 
その子がマスターの親戚だった事。
そして、3歳で亡くなった事。
そして、その家族に捨てて欲しいと頼まれた椅子だったのに、
マスターは、捨てる事が出来なかった事。を話してくれました、が。
 
「もう捨ててもいいよ。」と。
 
私はマスターに謝り、その椅子ごと捨てる事にしました。
 
それからは、この恐ろしい出来事は起こりませんでした。
あのまま、私はあの世に連れていかれたかも・・・・・と思うとぞっとします。
ただ、私は何もしてあげられませんでした。
 
どうして、私の所に・・・・・。
 
そして、あの女の人は誰だったのでしょう?
 
 
 
 

 

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