遺失物・・その3

 

このお話は常連のお客様「キリンラガー」様から頂きました。

 
 
 

 

毎度、遺失物ネタで恐縮です。
 
 
先週の金曜日、落し物係に筆箱(ペンケース)
が届きました。
 
 
何でも、会議室に置いてあったとか・・・
 
 
刑事じゃないけど、ヤマはって持ち主に返せる確率も
だんだんと高くなってきた。
しかし、今回のケースは、職員以外の利用もあったと言う事で
絞込みが難しい。
 
 
会社のブツ(ペンケース)の内容物はごく普通。
 
 
ざっと見た限りではボールペン、蛍光ペン、定規、
消しゴムのたぐいが入っていました。
 
 
迷宮入りか・・と思っていたら今日、落し物係をたずねて
1人の男性が来た。
 
 
 
 
 
 
男 : 「すみません。○○○(某有名ディーラー)
の者ですが、先週、会議室に筆箱を忘れまして、
こちらに届いていないでしょうか?」
 
 
 
 
 
 
う〜ん、営業系!ややマッチョな
さわやか青年
オーラを十二分に撒き散らしていた。
 
私はいつもの通り、ブツの特徴を聞いた上で、
身分を証明できる物の提示を求めた。
 
しかし、免許証も名詞も何にもないときたもんだ!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私 : 「ご自分のですよね」
 
 
 
 
男 : 「はい、私のです」
 
 
 
 
私 : 「・・・!では、筆箱の中身を教えて下さい」
 
 
 
 
男 : 「わかりました」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
自分の物ならそれでいいんだから、
と言う安易な気持ちで質問を始めた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私 : 「まず何が入っていますか?」
 
 
 
 
男 : 「ボールペン、シャープペン、蛍光ペン3本、
消しゴム、定規・・です」
 
 
 
 
私 : 「どんなボールペンですか?」
 
 
 
 
男 : 「キティーちゃんです。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この辺でやめておけば良かったんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私 : 「消しゴムは?」
 
 
 
 
男 : 「ソーダの匂い付きです。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
もうこれ以上は必要なかったのに止まらない
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私 : 「定規は?」
 
 
 
 
男 : 「赤でミッキーマウスの絵がついてます。」
 
 
 
 
私 : 「シャープペンは?」
 
 
 
 
男 : 「ぽむぽむプリンです」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私・・・しばし沈黙
 
 
 
確かにビンゴです。
 
 
 
 
 
ビンゴだけど・・その後、何となく、営業系、
ややマッチョなさわやか青年
の顔を直視できなくなりました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 
 
 
 
 
営業系、ややマッチョな
さわやか青年
 
 
「ありがとうございます。助かりました。」
 
 
 
と笑顔で走って帰った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
私には分からない。
 
 
 
 
これは趣味ですか?
 
 
 
 
私なら、引き取りに行かない。
 
 
 
 
 
みなさんはどう思いますか?
 
 
 
 

 

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