白い呼び声

 

著者 「らび」

 
 
 
それは、切り裂くような風の中・・・
 
荒れ狂う大海のような、
 
すべてを飲み込んでしまうような、
 
吹雪・・・
 
白、白、白、白白白白白白白白白白白白白・・・・
 
数十メートル先も見渡すことの出来ない日がありました。
 
その翌日、見慣れた風景が、何も無くなって、
 
眩むような、白、まだ降り止まない雪・・・
 
物語は、そんな日に、唐突に起こったのでした。
 
 
 
 
一台の車が、雪を分け進んでいました
 
その車は私の知人が運転していました。
 
知人は語ってくれました。
 
 
 
 
「自分の意志とは無関係に引き寄せられたんだ
何か、まるで呼び込むかのように・・」
 
 
「ハンドルがまるで生きているかのように暴れて・・」
 
 
「やっぱり、こんな日に出てはいけなかったんだ・・」
 
 
「気が付いたときには・・・もう・・・」
 
 
無残にも、彼の車は雪にハンドルをとられスリップしてしまい。
横転して田んぼに突っ込んでしまったそうです。
 
 
同じ日に、彼は高速でもスリップし、
雪の中に突っ込んでしまった、とのこと・・・
 
 
 
 
 
 
この話を聞いたのは事故を起こしたまさにその日、
 
私は、
 
「よく生きていたね・・・
 
 まさか!
 
 
 お別れを言いに来たのかい・・・?
 
 もう、既に君は・・・・」
 
 
 
 
 
 
 
 
足は有りました。
 
 
 
 
 
 
 
 
笑って流せて良かったですよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(この物語は、実話に基づいて・・・)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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